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東邦サービス社長・
高部のブログ

タクシー事業者の運賃改定 無事に終了!

2019年10月09日 タクシーメーター

こんにちは。高部です。
今回のテーマはタクシーメーターの運賃改定の続編です。

10月1日(火)のタクシー事業者の運賃改定が無事に完了しました。
各関係者様のご協力の元、特に大きなトラブルもなく無事に完了することができました。

運賃改定の裏側の話をしますと、実は結構大変なんです。
当業界のことを知らない方は、スマホや、モバイルタブレットの間隔で、
「運賃改定なんて、10月1日0時に通信でダウンロードすればいいんじゃないの?」と
お考えの方も多くいると思います。
私もそんなシステムになればなんと楽な事か。

現段階のタクシー業界は決済や配車アプリケーションの技術は進んでいますが、
メーター本体のIT技術が進んでおらず、タクシーメーターの通信タイプを
導入している会社はほとんどありません。
※当社が扱う矢崎のメーターはクラウドタイプのメーターを新発売しました。

1台1台運賃プログラムを物理的にケーブルをつないで送信する必要があります。
タクシーメーターの運賃プログラムを変更するにあたり、
法人タクシーは、同じ場所に保有台数の車両があるので比較的問題はないのですが、
個人タクシーは一人一人が社長です。
短期間で作業を完了するためには、大きな駐車場などをお借りして時間割を決めて
一人一人の個人タクシー様に連絡をし、来場していただく準備をしなければなりません。

実は1カ月以上前から準備が始まります。
8月30日に公定幅運賃というものを関東運輸局が公示します。
公示が出ると具体的に段取りが始まります。

個人タクシーは大きく分けて
東京都個人タクシー協同組合 通称 東個協 とうこきょう 行燈がでんでん虫の形
と日個連東京都営業協同組合 通称 日個連 にっこれん 行燈が提灯の形
の2団体に分かれます。

個人タクシーの方の多くはどちらかの団体に所属しており、さらに自分のお住いの近くの
支部に所属していることが一般的です。
小さな支部の単位には職員の方がいらっしゃり多くは女性の方が働かれています。

当社は今回の運賃改定で立正佼成会の駐車場をお借りすることができました。
立正佼成会の駐車場の住所や、来て欲しい時間帯を支部を通じて一人一人の個人タクシー事業者の方に
連絡を取って行きます。

〇〇様は〇月〇日 〇時に立正佼成会の駐車場に来てくださいと伝えていきます。
伝え方は、支部/組合にまとめて資料をお持ちしたり、一人一人ご自宅に郵送したりと
様々です。

支部/組合の職員様の力なくして詳細の情報連絡はできません。
この場を借りて感謝申し上げます。

各個人タクシーの方にご連絡をし当社として〇月〇日に何人来場されるとおおむね決まります。
しかしここからも調整が大変です。
各個人タクシー様からその日はいけないから〇日にしてほしいと直接電話を頂きます。
そのため別の時間割表を作成し埋めていきます。1日に数十件の電話を頂きます。

ある程度の人数の目途が立つと、メーカーへ運賃プログラムの発注をかけます。
メーカーは我々販売店が概ね人数が決まらないと発注できないため、
プログラム作成及びカードへの書き込みの時間がとても短期間で行わなければなりません。
しかもミスが許されない。

10月1日の直前にメーカーから出来上がったプログラムを受け取り、当日を迎えます。
当日も個人タクシー様もご都合がある為、時間通りに来られなかったり
来なかったりと様々です。
一人でも作業をしていないことになると、とても問題になる為連絡も差し上げます。
9月30日、10月1日、10月2日はとてもバタバタした日が続きます。
無事に終わった時はほっとした気持ちになります。

我々の業界にとって運賃改定とはお祭りのようにあわただしく過ぎ去っていく行事のようなものですが
これからの時代、おそらく通信タイプのメーターが主流となり
昔はこんな大変なことをしてたんだね~と
懐かしい話になると思います。

そのためにはメーカーが良い通信タイプの製品を出していただき
総務省が通信費を抑える政策を出してもらう事が重要だと思います。
また昨今話題となっている5Gの技術も注目していますが費用が高くなるとも聞いています。
末端の事業者が安く安心して使用できるようにな価格帯になるよう願っています。

最後に、今回とてもさみしく感じたことは
個人タクシー事業者がとても減っていることです。
現在個人タクシーは新規に免許をもらうことができません。
高齢になって、個人タクシーをやめる人が自分の権利を譲渡するしか
新しく個人タクシーになる方法がないのです。

東個協、日個連の役員様や各支部の支部長様、職員様がもうすぐ引退を考えている個人タクシー事業者に
廃業せずに、権利を譲渡してくださいとお伝えはしているのですが
今の法律やいろいろな業界の縛りで明らかに目減りしてます。
全盛期から20~30%の減となっています。

このブログを読んでくださっている方も個人タクシーに乗ったことがあると思いますが
多くの個人タクシーの方は高級車で愛想もよく、道を良く知っているプロの方が多いです。
サービスは抜群だと思います。
個人タクシーは必要とされている事業だと多くの方は思っていると思います。
1台でも個人タクシー事業者の減少を食い止め、長く必要とされる業界で合って欲しいと思います。

 

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