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東邦サービス社長・
高部のブログ

運送事業者における未払い残業請求の対策方法!

2019年08月20日 働き方改革

こんにちは。高部です。
今回のテーマは未払い残業代等の請求の対策について伝えしたいと思います。

前回、特に運送事業者様の未払い残業代等の請求に対する対策は、「給与体系の変更」が必要であると
お伝えをしました。お知り合いの社労士に相談いただきたいですが、近いうちにどのような
体系にすると良いかお伝えしたいと思います。

当社でお手伝いをすることができる点があります。
それは給与の根拠となる「拘束時間・休憩時間の把握」についてです。
簡単に言うとデジタルタコグラフで管理することができます。
さらに言うと、デジタルタコグラフ以外で、詳細の情報を取得することは難しいです。

理由は、「休憩時間」を正確に取得することができるからです。
未払い残業の請求で論点になる部分が拘束時間と休憩です。
拘束時間は
出勤~退勤までの時間で、これは揺るぐことがなく、どうすることもできません。
しかし休憩時間のみ、事業者様が未払い残業の根拠となる数字から差し引くことができる部分だからです。
これは労働基準監督署に認められている部分です。
休憩時間の定義を整理します。

■休憩の定義とは
・労働基準法で定められている休憩の定義とは・・・
 労働時間の途中に置かれた、労働者が権利として労働から離れることを保証された時間 
・付与される休憩時間
 ① 6時間以内の労働        → 休憩を付与する義務なし
 ② 6時間を超えて8時間までの労働  → 少なくとも45分の休憩を付与する
 ③ 8時間を超える労働       → 少なくとも1時間を超える休憩を付与する

よくデジタルタコグラフを導入されていない事業者様が、
「うちはきちんと日報に休憩時間を書かせているから大丈夫。」
「うちの休憩時間は1時間だから拘束時間から1時間引いているよ。」
と言われます。
はたして本当に大丈夫なのでしょうか。

もし未払い残業代を請求された時に、弁護士から「休憩時間の根拠を出してください」と言われます。
過去の2年分の対象者の休憩時間の根拠を手書きの日報から割り出すのは容易ではありません。

例えば、あるドライバーの1日のが13時間の拘束時間だったとします。
会社の所定労働時間:8時間
会社の所定休憩:1時間 ※実際の休憩時間が3時間だったとします。

■もし手書き日報だけだったら・・・
13時間 ー (所定労働時間8時間 + 所定休憩1時間) = 4時間(未払残業代)

このような日が2年間の間にたくさんあったら、あっという間に数百万円の未払残業代となります。 

■デジタルタコグラフで休憩時間を明確に3時間と証明できる場合
13時間 - (所定労働時間8時間 + 所定労働時間1時間 他休憩2時間) = 2時間(未払残業代)

1日の未払残業代が4時間から2時間に減らすことができます。

運送事業者は自動車運転者改善基準というものがあります。
改善基準の一部に連続運転4時間が限度とあります。
4時間で30分の休憩が必要となります。
休憩の方法は 10分 × 3回 = 30分 のように分割でも認められています。

デジタルタコグラフでは休憩した場所をGPSで住所も記録することができます。
もちろん荷待ち時間、待機時間などで労働から離れられない停車は休憩には入りませんが
コンビニエンスストアや道の駅、飲食店に停車しているものは立派な休憩となります。

さらにデジタルタコグラフには「休憩」ボタンというものがあり、ドライバーに「休憩」ボタンを
押下してもらえばさらに効果的です。

大前提にドライバーに気持ちよく働いてもらうために、会社の制度設計を見直すことと
荷主様への理解を求め、長時間労働を是正することが大切です。

それと同時に将来の未払残業代請求の時効延長に備え、デジタルタコグラフを導入し
拘束時間と休憩時間の管理を徹底することが運送事業者様が長く安定した経営をする課題の一つと考えます。

 

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