BLOG ブログ

東邦サービス社長・
高部のブログ

デジタコ(デジタルタコグラフ)チャートからの事故分析!

2019年03月26日 デジタルタコグラフ 

 

こんにちは。高部です。
今回のテーマはデジタルタコグラフのチャートから見る事故分析の事例です。

以前このような相談を受けました。
「高部さん。事故が起こってしまいました。ドライブレコーダーが付いていない車両で証拠となるものは
デジタルタコグラフのデータしかないです。
先方が停車している当社の車両にぶつかってきたにもかかわらず、そっちも動いていた。
過失割合は10:0ではなく、そちらも持つべきだと言われている。
どうにか止まっていたという証拠はないでしょうか。」
という内容でした。

私はまずお客様のデータを頂きに伺いました。
事故が起こった時間を調べてみると確かにある時間から、速度チャートは動いていません。
それは、警察を呼び停止していたから速度チャートが動かないからです。
デジタルタコグラフで地図データは見ることはできるのですが、
事故があった時に動いていたか動いていなかったかはGPS位置情報では判断ができません。
当該車両にはドライブレコーダーが付いていないので映像分析もできません。

速度チャートを見てもぶつかった習慣に動いていたか、動いていなかったか判断する方法が
なかなか見つかりません。

なんとか見分ける方法が無いかと、速度チャートとにらめっこをしていると、
事故が起こったと言われる時間帯に、速度チャートの異変に気が付きました。

ぶつかった時に、わずかですが、速度チャート(どれだけ速度が出ていたか詳細に見ることができるチャート)
に速度信号が入っていました。わずかに3㎞/h程度です。
速度が出ているということは、相談依頼主の車両が動いていたとも取れますが、
ここにデジタルタコグラフの良さが出ます。

デジタルタコグラフはエンジン回転も取得してます。
弊社が取り扱っている矢崎製デジタルタコグラフは業界でもトップクラスの詳細データの取得が可能です。
0.5秒毎、50rpm(回転数の数値)毎にエンジン回転データを取得してます。

ぶつかった瞬間に、先方から車両を押されタイヤが回転することで速度信号を検知しましたが
エンジン回転数から、アイドリング状態、つまりブレーキを踏んでいてアクセルを踏んでいない状態ということを
証明できました。
つまり、ブレーキを踏んで車両が停止している状態の為エンジン回転が一定の状態を保っていたのです。
もし、相談依頼主の車両が実際にアクセルを踏んで少しでも動いていたらエンジン回転数が上昇しているからです。

結論、「車速信号はぶつかった瞬間に3㎞/hほど検出したが、エンジン回転はアイドリング時と同じ回転数を維持していた為車両は停止していた」と証明できたわけです。

上記内容を相談依頼主にお伝えし、保険会社様との交渉材料としたところ、過失割合は10:0で
勝訴という事でした。

デジタルタコグラフのデータでも真実を見つけることができる可能がありますので
トラブルがあって困った時には是非ご相談ください。

 

運送/タクシー/バスに関わることなど、是非お気軽に弊社までお問い合わせください。

お問い合わせはこちら